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RNA hackingの標的遺伝子を大幅に拡張する「Gs-Staple核酸」を開発

2026.02.26

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熊本大学と㈱StapleBioは、RNA hackingの標的遺伝子範囲を大幅に拡張する新しいStaple核酸「G-tract-supply Staple oligomer(Gs-Staple核酸)」を開発しました。本研究成果は、2026年2月26日にドイツ化学会の国際学術誌 Angewandte Chemie International Edition に掲載されました。

RNA hackingは、短い人工核酸であるStaple核酸を用いて標的mRNA上にRNA G-quadruplex(rG4構造)を誘導し、タンパク質発現量を調節する新しい遺伝子制御技術です。本研究では、Staple核酸自身にG配列を組み込む新しい設計原理を導入することで、これまで配列制約のため標的化が困難であった遺伝子にも適用可能であることを示しました。本成果により、RNA hackingの適用可能な遺伝子範囲は理論上ほぼ全てのヒト遺伝子に拡張され、次世代核酸医薬としての応用可能性が大きく広がることが期待されます。

論文タイトル:
Expanded Gene Targeting in RNA Hacking With G‐Tract‐Supply Staple Oligomers

Angewandte Chemie International Edition, First published: 22 February 2026
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202521666

Tomoki Kida, Yua Hasegawa, Miko Kato, Mahiro Ohtani, Ayu Matsumoto, Ririka Taniguchi, Rinka Ohno, Hiroshi Sugiyama, Toshihiro Ihara, Masaki Hagihara, Shin-ichi Sato, Yousuke Katsuda

Staple核酸について
ヒトの生命活動は、生体を構成するタンパク質のバランスにより維持されています。このため、タンパク質量の極端な減少や増加、あるいは異常タンパク質の発現によりこれらのバランスが崩れてしまうと、深刻な病気を引き起こすことがあります。熊本大学大学院先端科学研究部・勝田陽介准教授らによって開発された「Staple核酸」は、疾患におけるこれらのバランスを改善することができる次世代型核酸医薬技術です。具体的には、標的遺伝子のグアニン繰り返し配列の近傍に結合し、グアニン配列を近接させることで人工的にG-quadruplex(G4構造)形成を誘導し、これにより、タンパク質の発現量を増加または抑制することが可能になります。これらの作用は標的遺伝子選択的であり、オフターゲット作用(標的遺伝子以外への副作用)が抑えられることも特徴の一つです。

株式会社StapleBioについて
株式会社StapleBioは、日本発の次世代型核酸医薬技術 「Staple核酸」 を用いた医薬品の研究開発に取り組んでいる熊本大学発の創薬ベンチャーです。2023年4月にはJ-Startup KYUSHUに選出されています。従来の創薬技術とは全く異なる作用機序により、これまで治療できなかった希少疾患やパンデミック感染症等に対して迅速に治療薬を提供することが当社のミッションです。

会社概要
会社名 : 株式会社StapleBio
所在地 : 熊本市中央区黒髪二丁目39番1号
代表者 : 代表取締役  谷川 清
設立日 : 2021 年11 月30日
事業内容 : Staple核酸技術に基づく医薬品等の研究開発
URL :https://staplebio.jp