Staple核酸で出来ること
- 疾患の原因となるタンパク質の発現量を抑える
- 生体維持に必要なタンパク質の発現量を増やす
- ウイルスの増殖を抑える
- タンパク質の異常な配列をスキップ(削除)する
Staple核酸の特長
- 高い標的選択性とオフターゲットリスクの低減
- 優れた生体内安定性
- 汎用性と迅速な機能検証
生命を支えるタンパク質
ヒトの生命活動は、生体を構成するタンパク質のバランスにより維持されています。このため、タンパク質量の極端な減少や増加、あるいは異常タンパク質の発現によりこれらのバランスが崩れてしまうと、深刻な病気を引き起こすことがあります。
Staple核酸で出来ること
我々のコア技術である “Staple核酸” は、疾患におけるこれらのバランスを改善することができる次世代核酸医薬技術です。具体的には、標的遺伝子のグアニン繰り返し配列の近傍に結合し、グアニン配列を近接させることで人工的にG-quadruplex(G4構造)形成を誘導し、これにより、タンパク質の発現量を増加または抑制することが可能になります。更には、異常タンパク質の発現パターンを正常化する機能も有しています。
高い標的選択性とオフターゲットリスクの低減
Staple核酸は、標的遺伝子にあわせて設計する核酸医薬品であるため、その作用は標的遺伝子選択的であり、オフターゲット作用(標的遺伝子以外への副作用)が抑えられることも特徴の一つです。
優れた生体内安定性
Staple核酸は、生体内で安定な人工核酸を用いて製造することが可能です。また、Staple核酸が作用するプロセスにおいては、細胞内酵素との連動を必要としていないため、Staple核酸の全配列に人工核酸を用いたとしても効果が減弱することはありません。
汎用性と迅速な機能検証
Staple核酸は、従来の核酸医薬技術と比較して配列設計の自由度が高く、短期間で設計から機能検証までを完了することが可能です。Staple核酸は、既存の核酸医薬が抱える諸問題を解決できるポテンシャルを有しています。
論文
In Vivo mRNA Hacking with Staple Oligomers Prevents Myocardial Hypertrophy
Yousuke Katsuda, Takuto Kamura, Tomoki Kida, Takeru Saeki, Yua Itsuki, Yuri Kato, Taishi Nakamura, Motohiro Nishida, Yusuke Kitamura, Toshihiro Ihara, Masaki Hagihara, Shin-ichi Sato
bioRxiv - Molecular Biology Pub Date: 2023-04-18 , DOI:10.1101/2023.04.18.537290
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.04.18.537290v1